「はぎゃわあぁぁぁぁぁああん!!!」
はい大丈夫だよ痛いの痛いの飛んでけぇ~~~、それっ、コクン、よしっ、泣き声ピタッ。
「肘、入りましたよ」「えっ、もう?」
Rちゃん、1歳11ヶ月の女の子。
5月4日、GW真っ只中の昼休み時間、突然の電話です。
「午後は何時からですか?」
「いかがなさいました?」
「子供が、左肘が抜けちゃって・・・」
「あらあら」
電話を受けながら、玄関前に車の影が見えますよ。
「今、外にいらっしゃるなら、どうぞどうぞ?」
午後まで待たせちゃ、可哀想です。
肘内障。
幼児期の、肘関節脱臼(輪状靱帯亜脱臼とも)。
宇宙人グレイの連行風景を実演すると、なりやすいです。 ← ひどいたとえ
一度やると癖になり、大体小学1~2年生くらいまでは繰り返す傾向があります。
Rちゃんもやはり、左右からのお父さんとお母さんの手にぶら下がったそうで。
親子の休日としては良くある情景ですが、あなたの町でもきっと背後から、柔道整復師がヒヤヒヤハラハラして見守っていますよ。通報はしないで下さい。
お母さんに抱っこされて、泣き腫らした顔のRちゃん。不安げにコチラを見ています。
左腕の方に飴玉を差し出すと、手を顔の高さまで持ち上げました。
「・・・? 左腕、結構動きますね?」
「毎回この子、最初はそうなんです」
これだけ動くと本当に肘内障かと、見逃してしまいそうです。
しかしここで脳内に、とある言葉が響きます。
「肘内障、疑わしきは整復せよ」
昔、学校での授業で、講師の先生から言われた言葉です。
日本柔道整復専門学校、〇〇先生(仮名)、ありがとうございました! ← 名前忘れた ← 台無し
冒頭の様に、無事施術終了しました。
左手の方に飴玉を差し出すと、今度は頭上まで手が伸びます。
両手に飴玉を握り、ぶんぶか両手を振ってバイバイするRちゃん。
いやぁ、良かった良かった。
・・・だがしかし! 5月16日、再受傷!?
本日17日、またお母さんに抱っこされてRちゃんが来院しました。
「昨日の夕方、母が腕を引っ張っちゃって・・・」
「なぜ、一晩?」
「母が他所の接骨院に連れて行ったんです」
そして診断、「異常なし」と言われたそうで。
・・・確かに先日の症状の出にくさでは、そう判断されても、いやいやでもでも。
「ずっと痛そうにしてて、しかも今朝になったら、」
飴玉で釣っても、今は全然左腕が挙がりません。
涙と鼻水でべしゃべしゃのRちゃん。よく一晩我慢した。偉いぞ。
さあ、整復を試みましょう。・・・ところが。
「あれ?」
一晩経過して、元に戻りにくくなってますよ。
しかしここで脳内に、とある言葉が響きます。
「肘内障、整復出来ねば軸圧を」
昔、学校での授業で、講師の先生から言われた言葉です。
日本柔道整復専門学校、〇〇先生(仮名)、ありがとうございました! ← デジャヴ?
先日は2個、今日は3個。
ちっちゃな両手一杯に飴玉を持って、Rちゃんはニコニコして帰って行きました。
もちろん、ぶんぶか両手を振って。
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