前回までのあらすじ
自転車で車との交通事故に遭った、20代・Ｔ君・男性。
本人も病院も、当初は軽い打撲かと考えていました。
しかし当院の徒手検査と視診で、体のわずかな悲鳴に気付きました。
するっ、ぺたっ、するっ、ぺたっ、
「・・・あれっ、足、引きずって歩いてる？」
「えっ、そうですか？ 自分じゃ分かりません」
スリッパの歩行音で気付く程度の、わずかな違いです。
引きずっているのは、左足。
つまり、右足の踏ん張りが利かないのですね。
「運動は何かしてました？」
「中学まで野球を。それ以降は何も」
「ケガや手術の経験は？」
「特にないです」
「腰や背中が疲れやすいとか」
「それも特に」
ことごとく、否定。
しかし、どこかに何かがあるはず。
で、右の太腿を触ってみます。
・・・あったあった。
「これ、痛いでしょ」
「すっごい痛いです！」
大腿筋膜張筋と大腿直筋、太腿の外側と正面の筋肉が、とても固いです。
今回の事故との関連性は、証明しきれません。
事故によって痛めたのかも知れないし。
はたまた、元々の体の使い方の悪い癖があって、事故の衝撃とあいまったのかも知れません。
まあ、膝下の打撲の流れでサービスしときましょう。
右膝下打撲部にはハイボルト電流。
右大腿部には立体動態波。
本当は超音波コンビネーションをしたいのですが、くすぐったがりなので予定変更。
そして大腿部に筋膜リリース。
「打撲したところ、押すけど、いかが？」
「・・・今は痛くないです」
「膝も、しっかり曲げ押し込んでみるぞ」
「少しだけ張ります」
だいぶ良し、です。
施術後Ｔ君は、足を全く引きずらなくなりました。
次回以降も大丈夫なら、事故の衝撃による負担。
すぐに戻るようなら、本人の生活習慣から来てる割合が大きいはずですから、その時は体幹からアプローチしてみましょう。
当院の交通事故施術のモットーは、
『事故以前よりも、健康的に』です。
交通事故という『災い』を転じて『福となす』、そのお手伝いをさせて下さい。
写真 打撲の初見と最近
塞翁が丙午、過去ログ一覧はコチラ
