「で、この前テレビでやってた走り方を真似してみたわけよ」
「そしたらこうなった、と(汗)」
contents
1 急な足の裏の痛みが出た理由
2 足の裏の痛みの出やすい所
3 足底腱膜炎を誘発する、働きの悪い筋肉
4 ストレッチの重要性
5 足底腱膜炎への正しい対処を怠ると
6 当院における、足底腱膜炎へのアプローチ
6-1 筋膜リリースと電気療法の組み合わせ
6-2 ストレッチの再確認
6-3 働きの弱い筋肉のトレーニング法
7 施術回数・通院期間・注意点
8 今回の気付き
1 急な足の裏の痛みが出た理由
40代・男性・Nさん・水戸市在住
茨城県内のマラソン大会に年2~3回位エントリーし、直前に練習量を増やし過ぎていつも痛い目に合う、休日市民ランナーです。
「かかとを接地しないで、つま先だけで走るんだって」
「・・・自分もそれテレビで見ましたけど、あれは普段の練習からとか、人種のバネの違いやら、」
「一歩ごとにブレーキが掛からない走り方でさ♪」
人の話を聞きませんねぇ。
右の足の裏がこの数日前から痛むNさん。
走るだけでなく、今や歩いても痛いそうです。
「歩く際には、さすがにかかとは上げてませんよね?」
「ううん、鍛えるために意識してる」
「そりゃやりすぎですよ」
2 足の裏の痛みの出やすい所
さて、どこが強く痛むのでしょうか。押してみて確認しましょう。
まず、土踏まずの真ん中。
「ああ、そこは痛い」
土踏まず、一番親指寄り。
「そこは少し痛い」
土踏まず、一番踵寄り。
「痛い痛い、そこすごい痛い!」
足底腱膜、踵骨隆起部に圧痛著明。
「足底筋膜炎、ですね」
「足底腱膜炎、とは違うの?」
うーん、厳密には違うのでしょうけど、自分はつい癖で一緒にして「筋膜炎」と言ってしまいます。
最近の資料では「腱膜炎」の方が良く使われるので、今後はこちらで表記しますね。
「良くご存知ですね」
「結構ランナー雑誌とかでも特集されるしね。走った後に冷やせばいいんでしょ?」
「炎症ですからね、それも正解です。しかし、」
大切なのは『なぜ痛みが出たのか』です。
3 足底腱膜炎を誘発する、働きの悪い筋肉
「それは、鍛わってない所に急に無理をしたから・・・」
「そう、じゃあ、一体どこが鍛わってなかったのかが大切です」
右のふくらはぎを、ギュッとつまみます(下腿三頭筋)。
「わあ、そこも痛い!」
右のすねも、指で押します(前脛骨筋)。
「なんでそこも痛い!」
右の太もも(大腿四頭筋)。
「そこはいつも痛い!」
右股関節の前(腸腰筋)。
「そこは秘孔?痛い!」
右のお尻(股関節外線筋群)。
「ぎゃあぁ穴が開く!」
「Nさん、ストレッチしてます?」
息もたえだえのNさんが、ようやく呼吸を整えます。
「・・・いや、運動前にストレッチすると筋肉の働きが悪くなるからって・・・」
「それは静的ストレッチですよ」
4 ストレッチの重要性
最近は『静的ストレッチ』『動的ストレッチ』それぞれメジャーになって来ましたね。
でもそれに伴い、若干の誤解も生じています。
じっくりと伸ばす『静的ストレッチ』。
副交感神経優位に傾くため、運動前に行うのは筋出力の低下に繋がり、最悪はケガの原因にもなります。
しかしリラックス効果を及ぼすため、整理運動時やリカバリー、風呂上がり時などに最適です。
「『動的ストレッチ』って、どうやるの?」
「『ブラジル体操』が代表的ですね」
「ああ、そうか」
Nさんは高校時代サッカー部員。なじみがある体操です。
5 足底腱膜炎への正しい対処を怠ると
「炎症があまりに長引くと、骨のトゲが出来ます。そうしたら手術です」
「ああ骨棘、話に聞くね」
「だから今は、少しでもその痛みと炎症を抑えましょう」
「そしたら、走れる?」
「ちゃんと原因まで対処しないと、すぐにぶり返しますよ」
「・・・了解しました~」
6 当院における、足底腱膜炎へのアプローチ
6-1 筋膜リリースと電気療法の組み合わせ
まずは背中~腰~右臀部の筋膜リリース。
その間、足裏にマイクロカレントで炎症症状を鎮めます。
「これ、何も感じないよ?」
「そういう電気ですよ~」
右大腿筋膜張筋~下腿三頭筋までリリースが終了したら、今度は右下肢前面に移行します。
それでも圧痛が残る足裏にはハイボルト。
約50分にも及ぶ、中々重症な部類に入る施術です。
6-2 ストレッチの再確認
「・・・さあ、立ち上がって歩いてみてはいかがです?」
「おおっ、いいねえ! 治った!」
「いや、だからぁ」
ここからは、各種ストレッチの説明です。
~~~さらに30分経過~~~
「先ほど自分が触った場所が全部関わってきますが、一番大切なのはふくらはぎの柔軟性と、親指の筋力です」
さあ、今度は筋力トレーニングですよ。
「ええ、まだやるの~?」
「誰のため~?」
6-3 働きの弱い筋肉のトレーニング法
写真 足の指でやるクレーンゲーム用のスーパーボール、ゴルフボールです。
タオルギャザー・トレーニングの代わりですね。
一緒に腸腰筋のトレーニングにもなるので、個人的におすすめです。
「足でつかめますか?」
「・・・全然」
「全部隣のカゴに移せたら、今日はこれでおしまいですよ」
「鬼~」
7 施術回数・通院期間・注意点
「ご自分で体操、運動前後のストレッチを丁寧にやる事で、週2~3回の通院、2週間で目途が立ちますね」
「少しだけ走っていい? 体が萎えちゃうしさ」
「痛みが出た事と同じ動作ってのは、しばらくお勧めしません」
「そっか~」
「その間、体幹トレーニングに集中するのも大切なことです。何なら今から御指導しますよ~?」
「いやいや、もう今日は勘弁して!」
8 今回の気付き
今の時代、情報は簡単に手に入ります。
でも時として、自分にとって都合のいい取捨選択に偏ることがあります。
それは自分自身にも日々言い聞かせている事ですね。
そんな事ではイカンガー
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